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閉鎖空間な保管庫
ここは「涼宮ハルヒで801スレ」のネタ保管庫非営利サイトです。 女性向け、BL、801に不快に思わない方のみ自己責任でご覧くださいませ。
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「キョン、古泉くん、あんたらちょっとキスしなさいよ」
いつもとは質の違うハルヒの迷惑な提案に、俺と朝比奈さんは驚きを隠せなかった。
「・・・・正気かハルヒ」
ハルヒの辞書に正気とか常識とかの文字が羅列されていない事は知っている。
俺が言っているのは、一般人にとっての“正気”でなく、ハルヒにとっての“正気”についてである。
いくらハルヒでも、この言動は正気の発言とは思えない。
「正気よ!男同士の禁断の愛っ!学園ストーリーに一組は」
「いねぇよ、お前の中の学園ストーリーは一体何処から仕入れてきているんだ」
同意を求めて古泉の顔を見る。
が、見当はずれの爽やかな笑顔が俺を見据えていた。
「いいですね、やりましょうよキョンくん」
「こっ、古泉?」
こいつも正気じゃないのか。
そう思っていると、古泉がハルヒに気づかれない様小声で話しかけてきた。
いやな予感がした。
「閉鎖空間が」
「わかった」
不快な事に、最初の単語でいやな予感が的中したのが分かってしまった。
つまり、今度はコイツとの口付けに世界がかかってるのか。
実に嫌な世界だ。
「さっさとやんなさいよ、じれったいわねぇ!」
ハルヒの苛立ちが声だけで伝わってくる。
「黙れ!心の準備がいるだろう!」
「僕は準備万端ですよ」
瞳を閉じて、唇を近づけてくる。
「・・・早くしないと、閉鎖空か」
「わかった、すればいいんだろ!」
俺の返事を聞いて、古泉の手が優しく頬に触れ、俺を抱き寄せた。
思わずそれに流されそうになる。

駄目だ俺!
手を勢い良く払いのけると、古泉の驚いた瞳が見えた。
驚いてるのはこっちのほうだ馬鹿。
「だって、同意しましたよね?」
「俺を彼女か何かと勘違いしてんのか?手馴れた手つきであんな事しやがって!」
思い出しただけでも背中がゾクゾクする。
「もしかしてあれで感じちゃったんですか?」
「黙れ息を吹きかけるな頬赤らめてんじゃねぇ!」
俺は恥ずかしさと苛立ちでもう泣きそうだ。
ハルヒに無理矢理コスプレさせられる朝比奈さんの気持ちを理解する日が来ようとは。
「もう本気でヤバイんですよ、世界が」
小泉の真剣な顔つきに、自分が怒られているような錯覚に陥った。
「・・・・・わかった」
自分から目を閉じて、顔を上げる。
古泉の近づく気配がまた俺をいらつかせる。
「・・・・・・・おい、早くし」
目を開いた途端言葉を失った。

目の前に古泉がいなかったから、というのもあるが、それだけじゃない。
「じゃーーーーーーーーん!ドッキリでしたぁ~!はははは!」
ハルヒの手には“ドッキリカメラ”と書かれたプレートが握られている。
と言っても、どこにもカメラが回っている様子は見受けられない。
・・・もし許されるならこいつを殴りたいリンチしたい。
「馬っ鹿じゃないのぉ~?“・・・・・わかった”・・・だってぇ~!」
ハルヒの笑い声が狭い部室に嫌というほど響き渡る。
見ると、朝比奈さんは笑いを必死で堪えている。
この場合に限っては、可愛いから許しておこう。
「・・すっすみませんキョンくん、涼宮さんの退屈を紛らわす為だったんです」
古泉、笑いながら言っても説得力が無いんだが。
「・・・・・・・・・・・・・ユニーク」
長門、何も聞いてないぞ。
「キョンくん、僕のことが好きだったんですね」
誤解だよ馬鹿顔が近い。
・・・好きなんて一言も言ってないだろう。
「僕もですよ」
今俺の人生を揺るがす台詞を聞いた気がしたんだが、気の所為だろうか。
いやハッキリ聞こえた。
・・・・聞こえなかったフリをしておこう、それがいい。


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