2ntブログ
閉鎖空間な保管庫
ここは「涼宮ハルヒで801スレ」のネタ保管庫非営利サイトです。 女性向け、BL、801に不快に思わない方のみ自己責任でご覧くださいませ。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
45 キョン×古泉
古泉一樹は夕日の射す窓辺に立ってこちらを振り返った。

「せめて、今まで通りに・・・というのは僕の都合の良すぎる願望ですか・・・?」

いつもの意味不明な顔面張り付き型の微笑みはそこには無かった。
そんなどこか困ったような、今にも泣き出しそうな表情で見つめるな。
震える声でしゃべるな。
夕日を背負うのも止めろ。お前わざとやってないか。
それは薄幸の美少女にのみ求められるエフェクトであって、健康な男子高校生には許されない。
薄暗い文芸部部室のなか、目に痛い程赤い夕日で古泉の輪郭が滲んで、今にも掻き消えそうだ
とか思ってしまうじゃないか。
俺は病気なのか?
ちなみに少なくとも古泉はどう考えても頭の病気だ。
俺を好きだとか抜かすくらいだから。
しかもキスまで出来るくらいだから。
あまつさえ何故か勢いで押し倒してしまった俺に、とても快感には結びつかないようなセックスを
されてそれでも未だに好きだとか言うくらいだからもう確実に病だ。
だからやっぱり俺も病気だ。

あの時俺は足の間から血を流す古泉を直視できなくて逃げるように家に帰った。
文字通り犯してしまった過ちに(それこそ身近に宇宙人と未来人と超能力者が居ると知ったとき
以上の)人生最大のショックを受け、突如として訪れた(数時間前まで考えた事も無かった)
アイデンティティの危機にどう立ち向かったら良いのか見当もつかず、そのまま片付かない
脳みそを抱えて学校を休む羽目になった。
しかしそのままずるずると健康なのにもかかわらず登校拒否し続け、妹の持って帰った給食の
プリンを食べさせてもらったりしている訳にも行かない。
そして俺は覚悟を決め、三日間自己認識の危機に放り込んでくれた元凶に決然と立ち向か・・・って
いるはずだったんだが、いつのまにか俺はふらふらと引き寄せられるように古泉のそばに来ていて、
古泉は窓枠に腰掛けるようにしていて、いつもは俺よりも数センチ程上にあるこいつの視線が今は
俺より少し下にある。お前やっぱそれ狙ってやってるだろ。

「このことが涼宮さんにばれて、それで僕の存在ごと消えるような事になっても、それでも
構いません。あなたの事が好きなんです。・・・あなたは、もう、僕のことなんか、きもちわるいと、
変態のホモ野郎だと、視界にも入れたくないと、思っているかもしれませんが・・・・・・」

うるさいだまれ。
目に涙をためるのも止めろ。萌える。
お前がきもちわるいなら俺だって気持ち悪い。
お前が変態なら俺も変態だ。
お前がホモ野郎なら俺もホモ野郎なんだ。
三日間布団の中で折って畳んで握りつぶしてぐっちゃぐちゃになって何とか否定しようと
してみたけど、見つけ出したのは結局それだった。
朝比奈さん辺りに捧げたいと思っていた俺の童貞を奪ったのはお前なんだ。責任とれ。

涙のたまった目を見開いてこちらを見上げる古泉を、俺は問答無用で抱きしめた。

「お前が好きだ」

父よ母よ妹よ、ごめんなさい。
4日前の俺にさようなら。
俺はSOS団とか言う部活ですらない正体不明の団体に所属する正体不明の転校生で
正体不明の機関とやらに所属する超能力者で本音は常に不透明で男の趣味も意味不明、
得意技は顔面に張り付いた笑顔と乙女演出な古泉一樹を好きになってしまいました。

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://heisakukannahokanko.blog.2nt.com/tb.php/47-2ad64db3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック