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閉鎖空間な保管庫
ここは「涼宮ハルヒで801スレ」のネタ保管庫非営利サイトです。 女性向け、BL、801に不快に思わない方のみ自己責任でご覧くださいませ。
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36 古キョン
「大丈夫か?古泉…」
「貴方を守るのでしたらこの位平気です。」
何臭い事言ってやがんだ、この優男は。
「俺の所為で…済まないな。」
そう、目の前の古泉が寝込んでいて、其れを看病している理由だ。お前の腹の馬鹿デカイ傷は、俺が付けた様な物だからな。素直に俺を責めてくれ。
「貴方を守れたなら本望です。」
そう言って自分の傷を指差して何時も通りに微笑む。ハァ…こういう所はどんなに痛そうな傷を負っても変わらない様だな、古泉。

この傷。俺が古泉を看病する現状。
この今に至るにはコンピ研部長の救出に遡る。

一面はまるで世界旅行でも来たかの様に広がる砂漠の景色。腰に巻き付く朝比奈さん、そして長門…おまけに古泉。此処迄は良い。許容の範囲内だ。
然し、異常に馬鹿デカーイ怪物の様なかまどうまが居る。もし、かまどうまを知らない人にはこの光景を見せてやりたい。一瞬にして近眼も老眼も覚えられるぞー。

長門や古泉、こいつらは守る術が有りそうだが、俺と朝比奈さんは安心出来ない。
「なんなんだこれは!」
「かまどうまでしょう…」
「そんな事は分かってる。どうでもいい。」
「この空間の創造種。」
「まさかこれもハルヒの仕業か?」
「原因は別。でも発端は彼女。」
「もう…動いて良いぞ。」
先程位動きを静止させた時から律義にも長門は静止した儘である。時と場合を考えて動いたりしてくれて構わないのだが、説明不足だったか。
「此処では、僕の力も不完全ながら有効化される様ですね。威力は閉鎖空間の10分の1。これで十分だと判断されたのでしょうか」

嗚呼、赤い玉みたいなあれがアイツの超能力なのか。
取り敢えず、あのデカイかまどうまを倒せば全てが丸く収まるらしい事は確からしい。まぁ、その…何だ。頑張ってくれ。なるべく早急に。

「直ぐ済みますよ。」
「さっさとやれ。」
「了解しました。」

そうしてヤツは赤い玉を投げ付ける。だが、あっさりやられてくれる筈も無く、又々巨大昆虫のカナブン君がかまどうまを回復させた様で。益々元気になった巨大昆虫は、また暴れ出した。
其処で、長門が不可思議攻撃を仕掛けた後、古泉がまた違った技を仕掛けた。…っと、其の赤い玉が当たって悶えてるぞ、巨大昆虫。効果有り…か?

「キョン君!朝比奈さん!危ないッ!」

と、一息ついたのも束の間、古泉が張り上げた声で分かったものの…かまどうまが俺達の方に倒れて来る…だって!?

「きゃぁぁああ!!」
朝比奈さんの絶叫と共に俺は腹を据えた。
朝比奈さんを守るのが男、キョンの使命だと神からのお告げが有ったのだろう。ならやろうじゃないか。やってやろうじゃないか。俺は想像におさまらない恐怖を瞼を強く閉じる事で我慢した………が、一向に痛みも何も俺に襲いかからなかった。
何故かと、俺は恐る恐る目を開ける…と、其処には古泉の背中が見えた。
コイツは…俺達をかばってくれたってのか?

「古泉ッ!」
直ぐ駆け付けてやり相手を見ると、すんでの所で下敷きになるのは逃れたが、かまどうまの足先が刺さったか、かすれたのか古泉の腹に深そうな傷が有った。
「大丈夫かッ?お前…」
「大丈夫です、よ。直ぐでは有りませんでしたが…始末しましたよ?」
古泉が指差す先には倒れたかまどうま。いや…いやいやいや!今はそうじゃないだろう!


「取り敢えず俺に掴まれ!…ほら」
「…ありがとうございます。」

俺達は其の後直ぐに病院に古泉を連れて行った。怪我の方は、見た目よりは軽かったらしく一週間程安静にしていれば治るそうだ。いや、然し、唯の変態優男かと思っていた古泉がこんなに男らしい一面が有るとは思わなかった。まぁ…見直したぞ、古泉。
「なぁ、古泉よ。」
「何ですか?」
俺は、ベッドに横たわった古泉に声を掛けた。もう、長門も朝比奈さんも帰路を辿って行った訳だが、俺はどうしても古泉と話しておきたかった。男として…な。

「本当、お前には礼を言うぞ。古泉。」
「嫌ですね、そんなにかしこまって。別に礼には及びませんよ。」
「然し、俺はてっきりお前は冷めたヤツだと思ってたよ。まさか、身を呈して迄俺達を助けてくれるとはな。」
「ハハ…株上げが出来て嬉しい限りですね…。まぁ、仲間ですし、貴方がとても大切でしたから。」
「はぁ?」
「兎に角、御礼をするのなら僕の傷が治る迄看病して下さい。僕としては其れが良いです。」
「え…あ、…分かった。やるよ。」

とんでもない言葉を聞いた気がするが流しておいた。これ以上面倒な事になるのは御免だ。古泉が看病で気が済むならやってやろう、其処迄嫌じゃないし…尚且礼をしないのは性に合わない。…と、そんなこんなで俺は古泉の世話係を暫くする事になったと言う訳だ。

「キョン君。お茶、お願いします。」
「分かったから少し待ってろ!」
何と言っても一週間程だ。少し我儘位聞いてやるつもりだ。

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