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33 古泉キョン

最近の楽しみと言ったら
朝比奈さんを眺める事に尽きるが
もう一つ誰にも言えない楽しみがあった

「やっぱり落ち着きますね」
放課後、二人っきりの静かな部室の中で
作り笑いなのか分からない笑顔を作る古泉は
椅子に腰掛け俺を見詰める
視線が気になり、古泉を見ないようにするが嫌でも目に入ってしまい
仕方なく俺も古泉を見詰めるが、やはり恥ずかしい事この上ない
「部室や、自宅じゃなければあなたはろくに僕と話してくれませんしね」
当たり前だ。公衆の面前でこいつと話せるわけがない…と言うか
話したって別にいいんだ此奴は直ぐに何処かしら触ってくる。
それを注意するとスキンシップと言って、その侭明らかに際どい場所を触り始めるのがオチだ

「古泉の日頃の態度が悪いんだろう」
すると心外です。と言ったように肩をすくめ
「キョン君が余り触らせてくれないのがいけないんですよ」
言いがかりは止めろよ
「それとも…今日もここでしますか?」
大変ですねぇ…声抑えるの。と
何でこいつはこんなにやる気満々なのか
昨日はあれだ。こいつが行き成り俺を押し倒し(あれは非常に痛かった)
暴れたらどうなるか分かりますよね?と脅され部室でやってしまったのだが
後始末が大変だった、けれど古泉は笑顔でまたやりましょうね。と
「今日もやる気なのか?」
呆れると古泉は
「あなたがその気なら」

その笑顔、もの凄く嘘くさい
本人は上手く笑った心算なんだろうけど
その気も何も、俺は部室でやるのはもう懲り懲りだ
嫌だ、と断ると古泉はスリルがあっていいのに…と残念そうに微笑む
「今の侭で十分あなたは可愛いけれど、もっと素直になってくれないんですか」
初めから僕に心を開いてくれるなんて思っていませんでしたけど。
その言葉が少し痛く、何故だか判らないけれど苦しくなった
「ちがっ―――」
いつの間にか声を荒げている自分がいた
すると古泉は何時も通りの笑顔をつくり冗談ですよ。なんてお決まりな台詞を吐き
「…今の言葉が傷付いたのなら謝ります。…でも、もっと僕に甘えて下さい」
甘えて欲しいんです。

そんな事男に言うなよ。
女に言う台詞にしとけ

と思ったのだけれど、どうしてもそんな事突っ込む気にはならず
御免…としか謝れなかった

「いえ、謝らなくても結構です。その代わり」
今甘えてくれますか?

は?としか言えなかった
何を云っているんだこの男は

「あ、甘えるって…?」
余りの動揺に声が少し上擦ってしまう
「そうですね…」
そう言って少し悩み
「では、あなたからキスして。とお強請りして下さい」
瞬時少しだけ顔が赤くなるのを感じる
「古泉?それ本気で…」
「ええ、本気です」
いつもの冗談ではありませんよ、と言い
「……いえ、出来たらでいいので」

そんな申し訳なさそうな顔をする古泉を見たら
断れる訳がなく、俺は古泉に云われる侭にしていた

「普通に恥ずかしいだろ…」
と独り言を漏らし古泉の前に立ち
「っ……う…キ」
何て屈辱的なんだ。
キスしてくれ。と言うが噛んだり早口過ぎて古泉は
聞き取れませんよ。と意地悪く微笑む
今のは早口で噛んだ自分が悪い
そう思うのだが、古泉だってそれを分かってるのだから
もう終わりにしてもいいんじゃないか?
でも此処で終わりにするような男じゃないな。古泉は
優しい奴に見えるのに実は結構意地が悪いのだ


「キス、して、」
言い終わると恥ずかしくて、顔に熱が籠もるのが分かった
その後意味の分からない言葉を何度も呟き
古泉を見てみると今までにない、笑顔がそこにあった
「嬉しいです」
心底嬉しそうだ。
…そんなに嬉しかったのか?こいつは
だったら前から、俺はもっとこいつに優しくてしてれば
良かった等と思った程いつもじゃ見られない笑顔だったのだ
ゆっくりと抱きしめら、優しいキスをされる
昨日みたいに、強く噛みつくようなキスではなかった

「…優しく出来るんだったら、何時もそうしてくれよ」
古泉は少し乱暴すぎる。本当に優しい顔して、酷い男だ
「あなたの態度が改められ次第」
そんなにありなのかよ。
「あなたが自分に正直にならないから。少し乱暴にしなければあなたは言う事聞かないでしょう?」
躾ですよ。躾
二度も言うな、その単語を。しかも笑顔で
ていう事は俺はこいつに調教されているって事なのか?
呆れると古泉は
「調教だったら僕はもっと酷い事をしていますよ。躾は優しい方です」
優しいの基準が分からなくなるような発言をされ、げんなりすると
「でも、本当に嬉しかったです」
先程のような微笑み

朝比奈さんの笑顔は究極の癒しで
もしかしたら古泉の笑顔はある意味癒しなのかもしれない
俺はふと、そう思った
最近の楽しみは、こいつと居る事なんて絶対に誰にも―――
勿論古泉にも言えない。

いつの間にか笑みが零れていたのか古泉は少し驚きの表情を見せ
「あなたがそんなに嬉しそうな顔をするなんて。何かあったんですか?」
嬉しい事。と微笑むが俺は敢えて秘密だ。と呟いた

誰がお前に嬉しそうな顔になった原因を教えるものか。

珍しく「是非とも教えて頂きたい」と興味を示す古泉が
妙に可愛らしくて俺はまたいつの間にか微笑んでいた

ああ、どんなに意地を張って古泉を避けても
俺はこいつがとことん好きみたいだ。
どう責任をとってくれるのだろうか、古泉は。




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