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27 キョンの憂鬱
今、俺は部室で暇つぶしにといつものように古泉とオセロをして遊んでいた。俺たちの他には長門しかいない。
朝比奈さんはまだ来ておらず、ハルヒは「先に行ってて」と言い、まだ来ていない。そんな中、俺はあることを
思い出していた。それは今日の昼休みに遡る。

「しっかしSOS団の女子は美少女揃いだよな」そんなことを急に谷口が言い出した。
俺たちはいつものように国木田を加えた3人で集まって昼食を食べていた。
「涼宮ハルヒだけじゃなく、朝比奈さん、長門有希といった美少女が揃うなんて、奇跡だよな」谷口が続ける。
それもそうだねと、国木田が答える。
そりゃあこの3人がユニットを組んでCDデビューでもしたら人気がでるかもしれないが、
あらためて考えると凄いかもなと俺も思っていた。が、突然谷口が奇妙なことを言い出した。

「あと1人、古泉君ってのがいたな、あれもなかなかの美少年だよな。あっち系の人にももてそうだな」
俺の箸を動かす手が止まった。お前の言うあっち系の人とは、新宿2丁目のお姉さんと呼ぶよりお兄さんと呼んだ方が正しい人たちか。
「俺はそんな趣味はないけど、どっちかというと女より男にもてるタイプじゃないかな」と、谷口は更に続ける。
俺は少しの間だがあいつと一緒にいたが、あいつを性の対象に見たことがない。あいつに対しては嫌悪感のほうが強い。
あの嘘くさい笑顔といちいち説明臭い口調はうざったい以外の何物でもない。
お前はあいつの表面的なとこしか見てないからそう言えるんだ。
あいつと同じ空間に1時間でも一緒にいてみろ、こっちから逃げ出したくなる。
などと、俺がそう思いながら再び弁当に箸をのばしたその時、

「キョン、お前古泉君とデキてんじゃねぇか?」と、谷口がとんでみないことを言い出した。
「はぁ?」と俺は立ち上がり、持っている箸でこいつの目を突いてやろうかと思ったが、
ここはこらえ、「どうそしてそう思える」と冷静に聞き返した。
「だってこの前の野球大会のとき、ベンチで隣り合って近い距離で話してたじゃねぇか、ただの友達ならあそこまで近づかねぇよ」
「確かに」国木田が冷静に返す。
それはあいつが勝手に近づいてきたんだと、俺が反論しても、
「ふ~ん。ま、そういうことにしておくか」と真面目に聞きもしない。


少なくとも、こいつらには俺と古泉が普通の関係だはないと思われているらしい。
それは間違ってはないが、あくまでハルヒに関する事務的な関係で、恋人とか、ましてや肉体的な関係など一切ない。
そうこうしている内に休憩が終わり、午後の授業が始まった。
その後は俺も気にはしなかったが、放課後、いつものように部室に行くと、
古泉が待ってましたといわんばかりの笑顔で、俺をオセロに誘っているのを見て、昼休みのことを思いだしたのだ。

オセロ盤をはさんだ俺と古泉の間には会話はない。ただ俺は朝比奈さんがくることを待っていた。そしてただなんとなく古泉の顔を見た。
すると何だ、古泉の顔がやけに輝いて見えるではないか。ただうざいだけだと思ってたあいつの笑顔や、真っ直ぐに伸びたきれいな髪。
その髪をかきあげる仕草、そこから見えるあいつの耳など、古泉の一挙手一投足にみとれてしまっていた。
しかしそこでハッと我に返り、オセロに集中しようとオセロ盤に目をやった。
しかし、オセロの石を指すあいつの細く白い指に魅せられてしまい、再び俺は止まってしまった。
そうしていると、「どうしました?」と古泉声が聞こえる。
「あなたの番ですよ」と古泉が優しく微笑みながら言ってきた。俺は平静を装って右手を伸ばした

しかし、伸ばした手の先には丸いオセロの石ではなく、何か細いものをつかんでいた、俺は右の掌に目をやると、
それは自分の石を持った古泉の左手の指だった。俺は左手にある自分の石ではなく、向かいの古泉の石、
しかもそれを持った古泉の指を握っていた。
「わっ!!」と情けない叫び声をあげて俺は椅子ごと後ろに倒れた。このまま後頭部を打って死にたい気分だったが、人はそう簡単に死なない。
「大丈夫ですか?そんなに慌ててあなたらしくない」と古泉は少し心配した顔で俺を見てきた。
まして、お前にみとれていたとは言えるわけなく、
「なんでもない。ちょっとボーっとしていただけだ」と返した。
今の俺はあいつをまともに見れないし、顔を見せられない。
なぜかというと、今俺の顔は真っ赤に染まっているからだ。
自分でも分かるくらい俺の顔は熱を帯びている。これがどこからくるものかは分からないが、
古泉に対して特別な感情を抱いていることは確かだ。朝比奈さんとは違うまた別のものだ。
これが恋なのか?しかし自分では認めたくないし、違うと思いたい。

長門が小声で「ユニーク」というのが聞こえた。古泉はずっと下を向いたままの俺を心配そうな顔で見つめている。
そんな顔で俺を見るな、いつもの嘘くさい笑顔を見せろ。そうは思っても口に出しては言えない。
それを言ってしまえば古泉に対する恋心を認めてしまうような気がする。
ハルヒに死刑を宣告されてもいいから、ここから逃げ出したくなっていたその時、
「お待たせー!!みくるちゃんがなかなか言うことを聞かなくて手間取っちゃって」
とハルヒが楽しそうに喋りながらはいってきた。
その隣では恥ずかしそうにチャイナドレスを着た朝比奈さんが立っている。
今までの俺なら喜んだだろうが今は違う。
今の俺には世界中のどんな女性よりも古泉一樹という一人の男にしか目がいかなくなってしまったのだ。
結果として、谷口が昼に言ってたことがきっかけになった。
明日からどうしようと、悶々とした思いのまま俺はこれから過ごしていくこととなる。

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