2ntブログ
閉鎖空間な保管庫
ここは「涼宮ハルヒで801スレ」のネタ保管庫非営利サイトです。 女性向け、BL、801に不快に思わない方のみ自己責任でご覧くださいませ。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
20 キョン×古泉

「いい加減にしろ」

普段の自分の声より聊か低く響いた。
古泉の顔からいつもの笑顔が消え、目を見開く。
その瞳にうっすら涙が浮かんでいる気がしたが、目はすぐに細められた。
いつもの爽やかスマイルだ。
「何のことです?」
分かってるくせに。
「こういう・・・キスとかするのをヤメろつってんだよ・・」
先程まで古泉の唇が重なっていた自分の口を手の甲で拭って、
乱れたネクタイとボタンを直す。
この作業を何度繰り返しただろう。
「大体、ハルヒにバレたりしたら世界が―――」
ヤバいんじゃないのかよ。
「・・・・」
どうして何も言わないんだ。

それとも、言えないのか。
「僕が貴方じゃないと駄目だからですよ」
「・・・・・何だそれは、プロポーズか?」
それにしても古すぎる台詞だがな。
「そう解釈して頂いても構いません」
や、構えよ。そこは構っていい所だ。
「僕がキスするのは駄目ということは、キョン君がしてくれるんですよね?」
何でそうなるんだよ。
俺の意見は軽く流されたようだ。
古泉の瞳がゆっくり閉ざされて、沈黙が始まる。
「・・・・・・っ・・・」
沈黙が苦しい。殺風景な部室に、俺の口付けを待つ男がひとり。
そんな危ない状況に居る俺、キョン。

・・・・多分、そのとき俺に誰かが乗り移ったんだ。
そうとしか思えない。
気づくと古泉の後頭部に手を添え、そのまま引き寄せていた。
「んっ・・・ぅ」
唇が合わさると、古泉聞いたことの無い高さの声を出し、俺の体に手をまわした。
暫し感触を味わった後、俺は目を開いた。

――――一体何をしてるんだ俺は。

自分が言ったことと矛盾している。

「こっ・・・これでいいんだろ」
「まだですよ」
体に回された腕に力が入り、抜け出せない状況が作り出された。
「なんっ・・・ヤメろ馬鹿」
「何焦ってるんですか?」
古泉は悪戯っぽく笑うと、俺の胸に顔を埋めた。
剥がそうとするが、適わない。

「心臓って、こんなに早く動く物でしたか?」
自分で胸に手を置いて確かめる。
古泉の言うとおり、異常な速さだ。
顔が赤くなるのが自分でも分かる。
「もう分かった」
今俺が、おかしくなってしまっている事がよくわかった。
男を・・古泉を見てドキドキしている、おかしい人だ。
俺はおかしい。
今、古泉に触れたいと思ってしまっている。
これが一過性のものであることを切に願いながら、胸で蹲る古泉の額にキスを落とした。

古泉は驚いた顔で俺を見上げた後、普段以上の笑顔を見せた。
「僕初めてなんですよ、優しくしてくださいね」
笑顔で囁く。
冗談なのか本気なのかはよく分からない。
俺はゆっくりと古泉を押し倒し、今度は唇にキスをした。
「キョン君・・・好きですよ」
返事はせず、黙ったまま古泉のカッターシャツの中に手を滑り込ませた。






コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://heisakukannahokanko.blog.2nt.com/tb.php/21-3fbe79a0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック