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閉鎖空間な保管庫
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19 古泉×キョン
一応設定は付き合ってる事前提に。


四限目の終了を告げる鐘がなり、待ちに待った昼飯の時間が訪れた
だが
「無い…。弁当が、無い…?」
確かに持ってきた筈だ
弁当を忘れる程俺は間抜けじゃない
第一自慢では無いが俺は弁当を忘れた事など一度も無いのだ
その俺が忘れるなんて。
一瞬盗まれた?と言う馬鹿な考えが浮かんだが
直ぐにそれは消えた
誰が俺の作った弁当を食うのか
そんな物好きな奴居るわけ無いだろう
俺は溜息をついて、騒がしく鳴る腹をさすった
仕方がない。食堂に行くしか無いだろう
金が少し勿体ない気もするが、腹が減って死にそうになるよりか良いだろう
教室を出ると、余りみたくは無かったニヤケ顔の其奴が
腕を組みながら壁に倚っ懸っている
「古泉…」
どうせなら可愛い癒し系な朝比奈さんが見たかったんだが…
まぁハルヒじゃないだけマシか。

「おや、嫌そうな顔ですね。キョン君は何処に行くんですか?」
トイレ?と微笑み、そして
「トイレなら僕もついていきます。いいですねぇ…連れション」
其処までお前は連れションがしたいのか。
谷口あたりでも誘ってしてればいい
「あなたと一緒にしたいんですよ。僕は」
あっそうですか。と受け流し、古泉を無視して歩き出す
とっとと食堂に行って飯に有り付きたい
「待って下さい。…で、本当に何処に行くんですか?」
何故に行き先を知りたいのか。
其処まで教えて欲しそうな言い方されると、敢えて教えたくなくなるのが人間だ
無視して歩き出そうとしたが、古泉の愉しそうな声の所為で答えなければならなくなった
「そう言う態度を取るんですか…。僕としては今此処で色々としてもいいんですが」
色々って。
ポジティブに考えても、古泉がする色々な事は大体よくない事だ
仕方なく振り向き
「食堂」
と呟くと古泉は駆け足で此方によってくる
周りに何とも思われないよう巧みに古泉は囁いた
「色々って…何すると思いました?」
答えられず口を噤むと古泉は微笑み
「言えない事でも考えてました?…やだなぁ、キョン君。
こんな公衆の面前で出来るわけ無いでしょう?出来たとしてもキスぐらいですかね」
キスでもお断りだ。
された日には、学校を止めるつもり
「冗談ですよ」とお決まりの台詞を古泉は吐くが
何となく声で分かった
(冗談のつもりじゃないな)
全く笑えない
冗談だとしても

「お前の言いたい事はそれだけか?なら、俺は食堂に――」
「良い考えがあります」
屋上で待っていて下さい。

それだけ言い残すと古泉は人混みに紛れ込んでしまった

(屋上?)

なんでそんな所で待たなきゃいけないのか。
けれど、俺は何故か操られるように屋上へと向かい
指示通り待っていたのである


「お待たせしました」
暫くすると古泉がやってきた
少し息があがっている
(もしかしてこいつ…)
俺の為に走ってきてくれたんじゃないのか?
勘違いでもいい
そう思うと、少しだけ嬉しくなっていつの間にか頬が緩んでいた
古泉の手を見てみると何故か二つの弁当箱

「は、何でお前二つもってるんだよ?」

「あなたと食べようと思って、持ってきたんです」
そう言ってニッコリと人のいい笑みを浮かべ
「お腹空いてるんでしょう?食べて下さい」
弁当と箸を差し出される
自分の食欲に負けてしまい俺はあっさりと受け取ってしまった

「……2個何で持ってるんだよ。可笑しいだろ?」
どうしてもそれが疑問に残る
もしやこいつは見かけに寄らず大食いなのか?
すると古泉は
「禁止事項です」
と気色悪く朝比奈さんのマネをする
しかも声までも
そんな古泉をスルーすると「つれないなぁ…」と小さく笑い

「何だかこうしていると普通のカップルみたいですよね。
端からみたらお似合いでしょうか?」

お似合いもくそもあるか。
第一俺達男同士だ
端から見たら彼女が出来ない可哀想な奴らにしか見えないだろう
最も古泉みたいな爽やかな奴(表情が笑い以外ないけれど)に
彼女が居ない方が可笑しいけど
幸い屋上には誰もいなく、俺達二人っきりだった
学校内で二人っきりになるなんて滅多に無いものだから
俺は何故か恥ずかしくなって少しだけ顔に熱が籠もったのが分かった

お世辞にも美味しいとは言えない料理を食べる
決して不味くは無い
でも美味しいとは言えない
なんて言うか…古泉、お前って本当に不器用だよな
字も綺麗かと見せかけて実はそんなでも無いし、本当見かけに寄らない
「これって古泉が作ったんだよな?」
分かり切った事を聞いてしまう
「ええ。どうでしょうか?あんまり…料理には自信が無いんですよね」
困ったように笑う古泉がどうしようもなく、好きだと自覚した
「いや、美味しいよ。うん」
卵焼きをつつきながら言うと古泉は本当ですか?と少し驚きの表情をみせ
「無理しなくてもいいんですよ」
と苦笑する
「いや、本当に無理してない。食堂で飯喰うよりよっぽど美味しいよ」
有り難う。とお礼を言うと古泉が一旦弁当箱を置き俺に近づき
「そんな可愛い事を言うなんて…反則ですよ?僕、余り我慢できる人間では無いので」
といきなり頬にキスをする
ふ、不意打ちすぎだ。古泉


「っ学校であれ程するなって言っただろ…!?」
赤くなりながらも抗議の声をあげると古泉は白を切るように
「最近あなたが構ってくれないので、つい。キョン君冷たいんですよ
そんなに僕と一緒に居るのが嫌なんですか?」
と頬にキスした事を弁護せずに、不満の声をあげる
「嫌とかじゃない…!寧ろ…」
一緒に居たいよ。 と呟くと古泉が
「このぐらい素直だと嬉しいのですが、でもそんなキョン君も可愛いです」
あんな恥ずかしい事言わなければ良かったと少し後悔したが
弁当を食べる俺の肩に寄っかかる古泉の体温が暖かく
俺は何も言えずにいた

暫く時間が経っただろうか。
そろそろ肩も痛くなってきた頃に古泉が俺から離れる
少し名残惜しかった
「本当は…言わないつもりだったんです」
でも、何だかあなたを見ていると本当の事を言ってしまう。
そう言って古泉はすまなそうに微笑み
「何言っても怒らないで下さいよ」
内容によっちゃ怒るかもしれない。
そう俺は云おうとしたのだが、返事をするより先に
古泉が口を開いたので結局言えなかった
だから俺は怒れなかったんだ

「あなたの弁当を盗んだのは僕です」

は?
一瞬時が止まったかのように思えた
何故古泉が俺の弁当を盗むんだ

「最近あなたが少し僕に対して冷たかったので、つい意地悪したくなったんです。
ああ、でも安心して下さい盗んだ弁当は責任持って今夜の晩飯にしますので
明日弁当箱返しますね。今日の晩飯は豪華です、何たってあなたの手作り料理だから」
今日がクリスマスって感じですよ。と呟く古泉を見ると怒りたくなった
本当に盗む奴が居た。
最近冷たいって…確かにさ、俺もちょっとやりすぎかな。とは思っていたけど
「…古泉が弁当を二個持ってるって事は……おまえ、もしかして。事前に用意してたのか?」
すると古泉が肯定するように頷き ええ、と笑う
「って事は事前に俺の弁当を盗むつもりだったのか。」

怒るの域を通り越して呆れてしまう

「ええ。そうです。でも、あなたと食べるお昼は最高でしたよ」
と一人大満足な古泉
確かに、俺だって愉しかった
だけど
「盗む事は無いだろ…?」
そんな俺の呟きは古泉には届いておらず
あいつは唯愉しそうに微笑むだけであった




end
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