そろそろ涼しさが真夏のクーラー程度には落ち着いてきた秋の午後、
いつも通り文芸部室の扉を開けると、そこにはにわかにいつも通りとは
言いがたい光景が広がっていた。社会に存在する人間の二十人に一人は
潜在的同性愛者だというが、だとすれば北高一学年分の潜在的同性愛者が この部屋に集まっている計算になると俺は見たね。平たく言い換えるならば、 いやあまり言葉で説明したくはないんだが、そういう気持ちを押し殺して あえて説明するとすれば、古泉が荒々しく輪姦されていた。
男に、それも野球チームでも編成できそうな人数の男たちに。
いや犯されているのか?もしこれが特殊なタイプの乱交パーティー
だったら俺はどうすればいい?失礼しましたと告げて足早にここを立ち去り返り際にあの可憐な人に今日の活動は中止です何も見ないでゴーホームしましょうと力説すべきかもしれない。現に古泉は気持ち良さそうに喘いでいるじゃないか。瞳に涙を浮かべ、嫌悪感しか読み取れない表情をニヤケ顔の代用品として顔面に張り付けていることを除けば。
助けに入るべきだろうか。そう考えてもみるが、体が動こうとしない。俺の脳はまだ現実をうまく認識できていないらしい。
「学園という大衆商業的シチュエーション下における女性的潜在願望の具現化。彼女が思い描いたから、こうなった」
長門。お前は何故この状況で本を読んでいる。お前が動じないのは承知の上だがさすがにこれを日常の一風景と判断してしまうのは異常だと思うぞ。
いや、異常なのはここに文学美少女という王道的欲情対象がいるにもかかわらず 一心不乱に男のアスホールをこねくり回し続けているあいつらか。まあSOS団 女子団員に対して生殖行動を強行するような輩がいれば俺が神人を呼び出してでも張り倒すけどな。
…ちょっと待て。それは男子団員でも同じじゃないのか。
ようやく俺の頭も奴らの腰の動きに負けない程度には回りだしたらしい。
彼女が思い描いたからこうなった? その彼女というのは。
「涼宮ハルヒ」
だろうな。俺はパソコンの隣に置かれた少女マンガ風表紙の薄い小説本に目を落とした。ハルヒが昨日珍しく口を閉じて読んでいた物だ。もっともその口がチャックされていたのは読んでいる最中だけで、読み終わるや否や
「ねえキョン? こいつらはどうしてこんなもったいぶった言い回しと
まどろっこしい手順を踏もうとするのかしらね? もっとこう、人数集めて ガーッと一気にやっちゃった方が読者もスカッとすると思うんだけど」
と俺に回答しづらい問いかけを投げかけてきたが。だがボーイズラブをよく知らない俺でもわかる。こいつはボーイズラブの基本点をまったく省みちゃいない。
つまりそういうことだろう。人数集めてガーッとやっちゃた結果が今の惨劇ということだ。猛るますらお達が俺や長門の存在を微塵も気にしていないのも
ハルヒ流のご都合主義か。
古泉が絶頂を迎えた女性のような声を発する。中に出されたらしい。
それと同時に自慰行為に耽っていた横の男からも不快極まりない
生クリームが放出され、古泉の端正な顔にまとわり付く。
おいおい、ちょっと量が多すぎやしないか?
「涼宮ハルヒは実物を確認したことがない。想像の範疇に改竄されている」
淡々と説明する長門をよそに、仰向けからうつ伏せへの体勢の変化を強制された古泉は、間髪入れずに次の男の直視し難い長物をねじ込まれていた。
艶めかしい呻きが洩れる。
「あなたの選択肢は三つある」
「ほう」
「止めるか、加わるか」
「それでなんで三つになるんだ」
「『加わる』には二種類の解釈が適用される」
理解した。どっちもごめんだ。俺は残された選択肢を取るべく古泉に近寄った。
これ以上は見ていられない。これでは古泉があまりにも──
この時俺は、戦力差を考えるべきだったんだ。
いつも通り文芸部室の扉を開けると、そこにはにわかにいつも通りとは
言いがたい光景が広がっていた。社会に存在する人間の二十人に一人は
潜在的同性愛者だというが、だとすれば北高一学年分の潜在的同性愛者が この部屋に集まっている計算になると俺は見たね。平たく言い換えるならば、 いやあまり言葉で説明したくはないんだが、そういう気持ちを押し殺して あえて説明するとすれば、古泉が荒々しく輪姦されていた。
男に、それも野球チームでも編成できそうな人数の男たちに。
いや犯されているのか?もしこれが特殊なタイプの乱交パーティー
だったら俺はどうすればいい?失礼しましたと告げて足早にここを立ち去り返り際にあの可憐な人に今日の活動は中止です何も見ないでゴーホームしましょうと力説すべきかもしれない。現に古泉は気持ち良さそうに喘いでいるじゃないか。瞳に涙を浮かべ、嫌悪感しか読み取れない表情をニヤケ顔の代用品として顔面に張り付けていることを除けば。
助けに入るべきだろうか。そう考えてもみるが、体が動こうとしない。俺の脳はまだ現実をうまく認識できていないらしい。
「学園という大衆商業的シチュエーション下における女性的潜在願望の具現化。彼女が思い描いたから、こうなった」
長門。お前は何故この状況で本を読んでいる。お前が動じないのは承知の上だがさすがにこれを日常の一風景と判断してしまうのは異常だと思うぞ。
いや、異常なのはここに文学美少女という王道的欲情対象がいるにもかかわらず 一心不乱に男のアスホールをこねくり回し続けているあいつらか。まあSOS団 女子団員に対して生殖行動を強行するような輩がいれば俺が神人を呼び出してでも張り倒すけどな。
…ちょっと待て。それは男子団員でも同じじゃないのか。
ようやく俺の頭も奴らの腰の動きに負けない程度には回りだしたらしい。
彼女が思い描いたからこうなった? その彼女というのは。
「涼宮ハルヒ」
だろうな。俺はパソコンの隣に置かれた少女マンガ風表紙の薄い小説本に目を落とした。ハルヒが昨日珍しく口を閉じて読んでいた物だ。もっともその口がチャックされていたのは読んでいる最中だけで、読み終わるや否や
「ねえキョン? こいつらはどうしてこんなもったいぶった言い回しと
まどろっこしい手順を踏もうとするのかしらね? もっとこう、人数集めて ガーッと一気にやっちゃった方が読者もスカッとすると思うんだけど」
と俺に回答しづらい問いかけを投げかけてきたが。だがボーイズラブをよく知らない俺でもわかる。こいつはボーイズラブの基本点をまったく省みちゃいない。
つまりそういうことだろう。人数集めてガーッとやっちゃた結果が今の惨劇ということだ。猛るますらお達が俺や長門の存在を微塵も気にしていないのも
ハルヒ流のご都合主義か。
古泉が絶頂を迎えた女性のような声を発する。中に出されたらしい。
それと同時に自慰行為に耽っていた横の男からも不快極まりない
生クリームが放出され、古泉の端正な顔にまとわり付く。
おいおい、ちょっと量が多すぎやしないか?
「涼宮ハルヒは実物を確認したことがない。想像の範疇に改竄されている」
淡々と説明する長門をよそに、仰向けからうつ伏せへの体勢の変化を強制された古泉は、間髪入れずに次の男の直視し難い長物をねじ込まれていた。
艶めかしい呻きが洩れる。
「あなたの選択肢は三つある」
「ほう」
「止めるか、加わるか」
「それでなんで三つになるんだ」
「『加わる』には二種類の解釈が適用される」
理解した。どっちもごめんだ。俺は残された選択肢を取るべく古泉に近寄った。
これ以上は見ていられない。これでは古泉があまりにも──
この時俺は、戦力差を考えるべきだったんだ。
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ボーイズラブボーイズラブとは男性同士の同性愛を題材とした女性向けの小説や漫画のジャンルのことである。10代の少年、特に美少年同士の間での恋愛を指す言葉であり、大人同士の作品はメンズラブと呼ばれる場合があったが、最近では広い範囲で「女性向の男性間同性愛」を指
2007/04/08(日) 08:08:08 | このマンガが読みたい!